やる気が出ない……無気力の原因と無理せずできる対処法3選

「今日中に掃除を終わらせなきゃ」「副業の勉強をしないといけないのに」「早くベッドから出ないと」……そう思ってはいるのに、なぜか体が動かない。やらなきゃいけないことは分かっているのに、気持ちがついてこない。そんな自分に「何で私はこんなにダメなんだろう」と落ち込んでしまった経験はありませんか?
実は、やる気が出ない原因は、あなたの意思や性格ではなく、体や脳の状態と深く関係していると言われています。この記事では、やる気が出ない本当の理由を丁寧に解説。頑張りたいと思っているのに、動けない……そんな自分を責めてきたあなたに、心が軽くなるヒントをお届けします。
やる気が出ないのはなぜ?無気力の本当の理由
やる気が出ないと、「早くやらなきゃいけないのに」と焦ったり、自分を責めてしまったりしませんか。そんなふうに感情的になってしまうのは、無気力になる原因をしっかり理解していないからかもしれません。
では、やる気が出ないとき、あなたの心と体にいったい何が起きているのでしょうか。次の項目からは、無気力につながる3つの原因について、分かりやすく解説していきます。
無気力の原因①脳に疲れが溜まっている
脳は、日々たくさんの情報を処理し、思考を続けています。たくさん体を動かした後にどっと疲れを感じるように、実は、脳も使いすぎると疲れてしまうもの。
このような脳の疲れは別名「脳疲労」とも呼ばれ、十分な睡眠をとることでリセットされると考えられています。ですが、質の悪い睡眠しか取れなかったり、睡眠不足が続いたりすると、次第に頭がうまく働かなくなり、ぼーっとしたり、やる気が出なくなったりすると言われています。
脳に疲労が溜まると、報酬系と呼ばれる神経回路にダメージが加わり、セロトニンやドーパミンといった脳内物質の分泌が低下することも。これらは別名「幸せホルモン」とも呼ばれ、やる気や意欲、気分の安定に深く関わっています。そのため、セロトニンやドーパミンが不足すると、幸福感が薄れ、何をするにも意欲が湧かなくなってしまうのです。結果として、「頑張りたくても頑張れない」という状態に陥りやすくなります。
無気力の原因②自律神経のバランスが崩れている
私たちの肉体には、自律神経と呼ばれる神経が張り巡らされています。活動時に優位になる交感神経とリラックス時に優位になる副交感神経の2つから構成されています。この自律神経は、私たちの意志とは関係なく自律して活動しているもの。自動的に動いて、体の状態を調整してくれているのです。
しかし、自律神経は、気温差や天候の変化、ストレスなどの影響でバランスを崩すことがあります。自律神経の働きが乱れると、体や心の調子が不安定になり、気分が落ち込んだり、無気力になったりすると言われています。
例えば、季節の変わり目や台風が近づいているとき、前日との気温差が激しい日などに「何だかやる気が出ない」「気持ちが落ち込む」と感じることがあれば、それは自律神経に原因があるのかもしれません。また、大きなストレスを受けたときも、自律神経のバランスが崩れ、無気力状態に陥る可能性があります。
無気力の原因③自分を追い詰める認知の癖がある
認知とは、物事の捉え方や考え方のことを指します。実は、認知には誰にでも癖や偏りがあると言われています。そのため、物事の捉え方にその人特有のこだわりや傾向があること自体は、決して悪いことではありません。
ただし、必要以上に物事を厳しくジャッジしたり、何でもネガティブに捉えたりする傾向が強い人は、そうでない人に比べて、ストレスを感じやすくなると言われています。
例えば、「頑張ることが当たり前」「少しでも怠けたら人間失格」といった極端な認知の癖がある人は、無意識のうちにストレスを溜め込んでしまうものです。その結果、自信を失ってしまったり、「もう何もしたくない」「自分には何もできない」などと考えて、無気力な状態に陥ってしまったりする可能性があるのです。
無理しなくてもできる!気力を引き出す3つの対処法
無気力の原因が分かると、「私の性格のせいじゃなかったんだ」「自分を責めなくても良いのかも」と、少し気持ちが楽になる方もいるかもしれません。実際、やる気が出ないときに、自分を責めるまったく必要はありません。
とは言え、「それでも動かないといけないときはどうしたら良いの?」と思っている方もいるかもしれません。そこで次の項目では、無気力の対処法を3つご紹介。どれも簡単に試せるものばかりなので、まずは自分に合いそうな方法から取り入れてみてください。
無気力の対処法①15〜20分の仮眠をする
睡眠不足や眠りの質の低下に思い当たる節があるなら、15〜20分程度の仮眠をとってみるのがおすすめです。短時間でも脳疲労にアプローチをかけることができますよ。
ただし、ベッドに入ったり、ソファで横になったりすると、つい眠り過ぎてしまうことも。できれば、テーブルやデスクの前に座って、腕に顔を乗せるような姿勢で休むと良いです。こうすることで、仮眠を長引かせないで済みますよ。
ちなみに、本当に眠ることができなくても、目を閉じているだけ、うつらうつらしているだけでも脳を休める効果があると言われています。「ちゃんと眠らなきゃ」と気負わず、少し脳を休ませるつもりで、気軽に試してみてくださいね。
無気力の対処法②1時間だけ他のことをする
自律神経のバランスが崩れていると、頑張ろうとしてもなかなか頑張れないものです。そんな状況で無理に家事や育児、仕事をしても集中できず、思うように進まなかったり、ミスをしてしまったりして、自己嫌悪に陥ってしまうこともあるでしょう。
そんなときは、思い切って別のことをしてみるのも一つの手です。特に、自律神経を整えるアクションに挑戦すると良いです。
例えば、40度前後の湯船に浸かったり、深呼吸や瞑想、日記やジャーナリングをしたりすると良いです。余力があれば、散歩やストレッチ、スクワットなどの軽い運動も◎。作業から離れて好きなことをすれば、気持ちが明るくなり、やる気を取り戻せるかもしれませんよ。
無気力の対処法②5分だけやるつもりで作業を始める
何かを始めるとき、実は脳にもっとも負担がかかるのが「作業を始める瞬間」であると言われています。そう考えると、「なかなか動き出せない」「どうしても腰が重い」と感じてしまうのも、無理はないことだと思えてきませんか。
ですが、裏を返せば、最初のハードルさえ超えてしまえば、その後は簡単に進められるということでもあります。そこでおすすめなのが、5分だけやってみるというアプローチ。例えば、「5分だけ食器を洗ってみよう」「5分だけ作業机に向かってみよう」といったように、小さな目標を設定してみてください。「たった5分だけ」と思うことで、心理的な負担がグッと軽くなり、自然と体が動きやすくなります。
この『5分ルール』は、完璧主義者や頑張り屋さんなど、自分を追い込みがちな認知傾向を持つ人にもおすすめです。続けるうちに、少しずつ「無理をしなくても大丈夫」「頑張らなくてもできる」と考えられるようになるはず。その結果、ストレスが大幅に減りますよ。
まとめ
いかがでしたか?
私たちは毎日、体も脳もフル回転で日々を生きています。だからこそ、知らないうちに脳や神経が疲れてしまうのは自然なこと。そして、体が疲れれば、心の元気がなくなり、やる気が出なくなってもおかしなことではありません。
それなのに、「頑張れないとダメ」と自分を責めてしまってはいませんか?ですが、そんな必要はありません。人間として、当然のことだからです。
今日からは、やる気が出ないときがあっても、自分を責めず、仮眠をとったり、気分転換をしたり、「5分だけやればOK」と考えたりするようにしてみてください。眠っていた意欲を引き出すことができるかもしれません。
ただ、仮眠や気分転換、5分ルールを持ってしても頑張れないときはあります。そんなときは、思い切って「今日は頑張らない日にする」と決めてしまうのが良いでしょう。どうか無理をせず、自分を大切に毎日を過ごしてくださいね。